クロルフロー濾過とは、濾過膜の膜面に平行な液体の流れをつくり、その液体の流速の力により濾過
膜面上に付着した汚れを洗浄しながら濾過を行う方法になります。
逆浸透膜(RO膜・NF膜)や限外濾過膜(UF膜)などで用いられる濾過方法になり、一般的に超
微小粒子や電解質を分離濾過をするフィルターに使用されています。
膜表面は、液体が連続で流れるようになり、常にに洗浄を行えるので、濾過性能を維持することがで
きます。ただし、供給された原液を、濾過液と排液(濃縮液)に分離するようになりますので、排液
(濃縮液)を考慮する必要があり、供給された原液を100%濾過処理するこができません。
全量濾過とは、供給された原液は100%濾過膜を通過して濾過されます。
クロスフロー濾過と違い、排液(濃縮液)を出さない濾過方式となります。精密濾過膜(MF膜)に
多く使用されている濾過方法となります。
ただし、供給された原液中の不純物は、濾過膜表面に常に蓄積されますので、しだいに濾過抵抗が
増し、濾過流量が低下してきます。ある時点で濾過膜を交換する必要があります。
全量濾過方式には、表面濾過(サーフェスタイプ)と深層濾過(デプスタイプ)があります。
表面濾過(サーフェスタイプ)は、濾過膜表面で粒子を捕捉するタイプのフィルターになります。
不織布プリーツタイプフィルター、多孔質平膜、多孔質中空糸膜フィルター、金属メッシュフィルタ
ーなどがこれにあたります。
深層濾過(デプスタイプ)は、濾過膜表面ではなく、膜内部で粒子を捕捉するタイプになります。
糸巻きフィルター、繊維積層フィルター、樹脂多孔質フィルター、焼結タイプフィルター、活性炭積
層フィルターなどがこれにあたります。