●超純水製造装置●
半導体産業の発展に伴って技術革新が進んだ濾過技術と言えます。現在純水や超純水は、半導体産業以外でも使用される場面が多く、電子部品・ガラスなどの洗浄用水や、ファインケミカルなどの希釈水などにも利用箇所は広がってきております。
純水や超純水を製造する時は、電解質、有機物、生菌、微粒子、TOC成分などが分離対象となります。
超純水製造装置に用いられる原水には、懸濁物質や溶存性物質、細菌など様々の不純物があり、様々なろ過システムにより、純水・超純水を生成していきます。
前処理システムとしては、主に原水中の懸濁物質やコロイダル粒子を濾過をするために精密ろ過膜であるMF膜やUF膜などを使用して、水中に含まれる縣濁物質やコロイダル物質を濾過していきます。そして、液中の残留塩素や有機物を除去するために活性炭を使用して、残留塩素や有機物を除去していきます。
次に、一次純水システムを造水するために、電解物質を分離除去ができる逆浸透膜(RO膜)を使用して、TOCや導電率を低減させます。その後、残留イオンを除去するためにイオン交換樹脂を使用して、残留イオン物質を除去します。
この濾過処理を終えますと、比抵抗やTOC値などは純水レベル以上の水となります。このレベルの水でも、一般的な洗浄用水や希釈水では十分使用ができます。純水レベルとしては、10MΩ以上となります。
次に、二次純水システムにて、純水レベル以上の水をさらに磨き上げていきます。
ユースポイントに超純水を供給するための最終濾過システムである超純水システムは、液だまりの少ない配管システムにて配管をし、超純水中に微生物繁殖を防ぐために循環式のシステムをする場合が多いです。
また、超純水は、接液部材質の成分を溶解させる力が強いので、接液部材質にも注意が必要となります。超純水システムの末端には、ろ過材流出防止用のファイナルフィルターを設置します。
TOC成分の除去には、紫外線酸化とイオン交換樹脂との組み合せの濾過処理システムとなります。
以上のように、多岐にわたる濾過システムを組み合わせて、純水・超純水は造水されます。
超純水の一歩前の純水や高度清浄水を必要とする場合は、一次純水システムやイオン交換樹脂レベルの純水濾過システムのみで要件をみたせます。