電位差を利用して、液中より難分離性物質の分離除去をする
油分除去フィルター「FP-ZE」特長
油分除去フィルター「FP-ZE」は、液中で素材表面電位がプラスになる素材を使用して成型されています。
油や細菌、インキ、濁質成分などの物質は、水中では粒子表面電荷がマイナスになります。
水中で乳化(エマルジョン)状態の油や、分散状態を保っている細菌・インキ・濁質成分などの物質が、油分除去フィルター「FP-ZE」の濾過層を通過しますと、乳化・分散物質は油除去フィルターの表面に引きつけられて吸着され、水中より除去されます。
通常水中に分散する多くの微粒子の表面電位は、プラスかマイナスかの電位を帯びています。
右図のように微粒子の表面は電位を帯びており、一般的に不純物とされる、細菌や油、塗料、ボンド、
顔料・インキなどの物質はマイナスの表面電位となります。
多くの物質の表面電位は、水中ではマイナスに帯電しています。
下図のように水中で、表面電位がマイナスの物質のみが存在する場合は、物質は互いに反発し合って分散状態をたもとうとします。
そこに、表面電位がプラスの物質が存在すると、お互いが塊になろうとします。これを凝集といいます。
油分除去フィルター「FP-ZE」は、水中で素材表面電位がプラスに帯電するので、水中でマイナスに帯電している物質を容易に吸着・除去します。
1:循環水中の白濁している油分除去
水を循環系統で循環中の、ポンプ摺動面からの混入機械油の吸着・除去。
2:圧縮機からの排水中の油分除去
圧縮機の摺動面からの混入作動油の吸着・除去
3:燃料混合水の油分除去
軽油と微少な界面活性剤混入液で、エマルジョン状態になっている油の吸着・除去
4:洗浄水中の白濁している油分除去
超音波洗浄水中の混入乳化油の吸着・除去をし、再生・循環水として再利用する
5:インクの吸着除去
塗装ブースで使用する部品洗浄液中のインクや濁質成分を、吸着・除去
6:タンパク質の吸着
水中に分散する表面電荷がマイナスになっているタンパク質の吸着
1:洗浄水処理
旋盤による旋削やドリルを使用した穴開け加工などでは、ドリルと加工物の摩擦の低減や冷却のために油を使用します。この油のことを切削油(クーラント油)と言います。
切削油(クーラント油)は、冷却効果を主目的とする水溶性タイプが多く用いられます。水溶性切削油はアルカリ剤や界面活性剤などを用いて、元々は水に溶けない油を水に溶けた状態である乳化(エマルジョン)状態にします。
水溶性切削油は、切削加工時は水に数%濃度で希釈して使用されます。
切削加工後、加工物表面には加工時に使用した水溶性切削油が表面に付着をしているので、切削加工後は加工物表面の洗浄を高圧洗浄や温水洗浄などで行います。加工物表面に付着した水溶性切削油は、加工物表面より分離し洗浄水側へ移行します。
洗浄水は、洗浄をつづけていくと水溶性切削油濃度が高くなり洗浄効果が落ちていきますので、定期的に排水し洗浄水を新液に交換をします。
油分除去フィルター「FP-ZE」は、水溶性切削油を吸着除去することができますので、使用している洗浄水を循環濾過すると、洗浄水の水溶性切削油濃度を低減でき、洗浄水の交換頻度を延ばすことができ、常に水溶性切削油濃度が低い状態の洗浄水を使用することができることにより、洗浄効果を高める事も可能です。
2:コンプレッサードレン水処理
製造工場では、圧縮空気を利用した工作機械や制御機械が多く用いられ、エアーブローや部品の入れ替え、回転工具の動力に使用されています。
圧縮空気をつくりだす装置はエアーコンプレッサーと言い、圧縮空気をつくりだす場合は、シリンジを往復させて空気を圧縮したり、回転ローターを回転させて空気を圧縮させます。
その時にシリンジやローターなどの金属が接触摩耗を防ぐために潤滑油が使用されます。空気を圧縮すると空気中の水分が凝縮して水となり、その水に潤滑油が混入します。
混入した油は、乳化状態となり白濁し、そのままでは分離しない状態となります。
このような液をコンプレッサードレン水と言います。
油分除去フィルター「FP-ZE」は、コンプレッサードレン水のような、乳化(エマルジョン)状態の油を吸着除去ができます。油分除去フィルター「FP-ZE」を使用しますと、コンプレッサードレン水中の乳化油を除去し、下水放流することも可能です。
型式 | 推奨処理流量 | 全長(mm) | 内径(mm) | 外径(mm) |
FP-ZE-250 | 0.6~1.2 | 250 | 30 | 65 |
FP-ZE-500 | 1.0~2.0 | 508 | 30 | 65 |
FP-ZE-750 | 1.8~3.0 | 750 | 30 | 65 |
※1:推奨処理流量は、目安となります。
油分濃度や油の組成、液温、液質により、分離できない場合もあります。
事前に試験を行い、適正流量を確認ください。
※2:使用液温は常温となります。
それ以外の液温での使用は、事前に確認を行ってください。
様々な液体を処理した前後を比較しています。左が処理前、右が処理後です。
インク | 水溶性切削液 | 塗料 |
アルカリ洗浄水 | 水性ニス | 水性インキ |
※本項記載の製品をご使用の際は、事前に確認試験を行い、使用の可否をご判断ください。
※本項記載の製品をご使用の際は、お客様の用途、使用目的、加工条件等に適合するか十分に確認されますようお願い申し上げます。
※本項記載のデータは参考値であり、必ずしも品質規格や安全性や現場結果を保証するものではありません。